認知症とは,脳の機能障害により、記憶以外にもさまざまな認知機能が障害されたために日常生活に支障をきたすようになった状態です。 社会生活や日常生活に支障をきたすため,タレントの名前を思い出せないなどといった生理的な健忘とは区別されます。
超高齢社会を迎えたわが国において、認知症の患者数は2012年に約462万人(65歳以上の15%)、2025年に約675万人、2050年に1000万人超えと今後も増加の一途をたどると予測されています。 2016 年の国民生活基礎調査によれば、高齢者の要介護の原因として第1位に認知症があげられます。健康寿命をのばすには認知症の対策が重要です。
原因
認知症の原因として、アルツハイマー型認知症が60%を占め、脳梗塞や脳出血などの脳卒中が原因となって起こる血管性認知症が 20%近く、レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症が続きます。
認知症は加齢に伴って増加し、最大の危険因子は加齢ですが、修正可能な多くの危険因子が報告されています。
WHOのガイドライン(2019年)では、身体活動・禁煙・栄養・適正飲酒・認知機能・社会活動・体重の管理・高血圧の管理・糖尿病の管理・脂質異常症の管理・うつ病の管理・難聴の管理、これらの介入により認知機能低下のリスク軽減が期待できるとされています。
症状
認知症の症状は、中核症状と呼ばれる認知機能障害と、徘徊・妄想・せん妄・不眠・興奮・暴言・暴力などの行動・心理症状(BPSD)に大別されます。記憶障害や見当識障害、実行機能の障害などの中核症状を基礎に、症状進行に伴いBPSDが出現します。
検査
頭部MRIや脳血流SPECT検査を行います。
甲状腺機能低下症やビタミンB12欠乏などの内科的疾患でも認知症を生じることがあるので、血液検査も診断には必須です。
鑑別診断
アルツハイマー病が認知症の最多原因ですが、アルツハイマー病の代表的な鑑別疾患であるレビー小体型認知症を正しく診察するために、パーキンソニズムの診察、ドパミントランスポーターシンチグラフィー検査(DAT scan)などの検査が有用です。その他認知症症状を起こしうる様々な疾患があり、鑑別には専門医による正しい診察が必要です。
治療方法
認知症の治療は薬物療法と非薬物療法(環境整備など)があります。
アルツハイマー病の病態として、脳内のアミロイドβタンパクの沈着が起こることが知られています。近年、アミロイドβタンパクを脳内から除去またはその合成を阻害する化合物が開発されましたが、いずれも臨床試験の段階で期待されていた効果が得られず開発中止となりました。現在も世界中で根治的に認知症を改善しうる薬剤が開発研究されており、その動向には注意が必要です。
現在認知症の治療薬として承認されているのは, アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル, リバスチグミン, ガランタミン), およびNMDA受容体拮抗薬であるメマンチンの4剤です。ドネペジルはレビー小体型認知症にも適応があります。
予防法
最近の知見から、糖尿病、高血圧などの生活習慣病はアルツハイマー型認知症や血管性認知症をはじめとした認知症の発症に深く関与していることが明らかになってきています。 糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の予防に加え、運動不足の改善、社会参加による社会的孤立の解消や役割の保持などが認知症の発症を遅らせることが示唆されています。
概要
院長 | 古田夏海 医学博士 |
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標榜科 | 内科 脳神経内科 老年内科 |
所属 | 日本内科学会 日本神経内科学会 日本認知症学会 |
資格 |
総合内科専門医・指導医、 神経内科専門医・指導医、 認知症専門医・指導医 日本医師会認定産業医 |
住所 | 群馬県高崎市上小塙町字東原1061-1 |
電話 | 027-387-0100 |
アクセス | JR高崎線、高崎駅より車で15分、駐車場25台有 |
連携 医療機関 |
高崎総合医療センター 群馬大学医学部附属病院
前橋赤十字病院 真木病院 第一病院 公立藤岡総合病院 ほか ご希望の医療機関への紹介状も対応いたします。 |
診療時間
予約がなくても診療いたします
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