てんかんとは、神経細胞が過剰に興奮し、神経症状を発作性にきたす疾患です。意識消失(意識が遠くなる)・全身のけいれん・体の一部分が勝手に動くなどの多彩な発作時症候をきたします。
てんかんは、1,000人あたり6~8人が罹患しているといわれており、最も多い神経疾患の1つです。てんかんは、従来は小児に多い疾患と捉えられていましたが、超高齢社会となり高齢発症のてんかんが急増し、発病率は小児と高齢者に二峰性のピークをもつU字型に変容しています。6~7割の患者は抗てんかん薬で発作を抑制することが可能ですが、残りの患者さんは薬剤抵抗性といわれています。
原因
てんかん発作は脳の神経細胞が過剰に興奮することで起こります。てんかん発作は繰り返し起こることが特徴です。
脳のどこの神経細胞が過剰興奮するかにより、非常に多彩な発作時症候をきたします。てんかん発作は焦点性(限局した脳の部分から起こる)と全般性(広い範囲の脳がほぼ同時に過剰興奮する)に分けることができます。
高齢発症のてんかんでは、 脳卒中や脳萎縮が原因で大脳皮質細胞が障害されることでてんかんが発症しますが、約半数は原因が不明(=特発性)とされます。小児では大部分が特発性です。
症状
近年の疫学調査から、てんかんは高齢者での発症が最も多いことが明らかにされています。
高齢者てんかんでみられる発作の約半数は、焦点性の複雑部分発作(=意識減損焦点発作)であり、しかも不注意、もうろう、健忘といった非特異的な症候を呈するため、認知症との鑑別が問題となります。そのため、高齢者で健忘などの症状がみられた場合、てんかんによるものか、認知症によるものか、てんかんと認知症の合併であるのかを鑑別することが重要となります。
検査
診断には、詳細な病歴聴取、脳波検査、発達評価を含む神経心理学的検査、頭部MRI検査および血液検査や心電図検査などを行います。
鑑別診断
てんかんは病態が多様なため、診療のスタートにおいて紛らわしい疾患との鑑別が重要になります。
「けいれん発作」と「てんかん」は同じように思われるかもしれませんが、てんかんの患者でなくてもけいれん発作は起こります(小児の熱性けいれん・脳梗塞や頭部外傷の急性期に見られる一過性のけいれん発作(急性症候性発作)など)。
意識消失発作は、てんかん発作以外でも脳に一過性に血流低下が起こる(=失神)ことで生じることがあります。意識消失の鑑別として、不整脈、起立性低血圧、低血糖、電解質異常、ストレスなどがあげられます。
治療方法
急性期のてんかん発作は通常、数分程度で収まることが多く、急いで薬剤を投与する必要は必ずしもありません。ただし、発作が続いたり(おおむね5分以上)、断続的に繰り返したりする場合には、発作を止める対応が必要になり、ジアゼパム5〜10mgの静注が行われます。抗てんかん薬の血中濃度を急速に上げたい場合には、フェニトイン、ホスフェニトイン、レベチラセタム、ラコサミドなどの点滴製剤が用いられます。
予防法
体調管理(飲酒や不眠を避ける)・抗てんかん薬(脳の異常な興奮を防ぐ)の内服をしっかりと続けていくことが必要です。薬剤抵抗性の場合(一般的には、複数の薬剤を十分量用いても 1〜2年の期間発作が抑制されない場合)には、外科手術(てんかん焦点摘出術など)も検討します。
てんかんは若年女性の患者さんにも多くみられ、妊娠に適した抗てんかん薬の投与と葉酸の併用は、妊娠を希望した時点ではなく、てんかんの初診時から実施することが必要です。産婦人科への紹介は、妊娠が判明してからで十分です。
意識障害を伴うてんかん発作が自動車運転中に生じると重大な事故の原因となるため、運転可能となるには2年間の無発作期間が必要です。
概要
院長 | 古田夏海 医学博士 |
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標榜科 | 内科 脳神経内科 老年内科 |
所属 | 日本内科学会 日本神経内科学会 日本認知症学会 |
資格 |
総合内科専門医・指導医、 神経内科専門医・指導医、 認知症専門医・指導医 日本医師会認定産業医 |
住所 | 群馬県高崎市上小塙町字東原1061-1 |
電話 | 027-387-0100 |
アクセス | JR高崎線、高崎駅より車で15分、駐車場25台有 |
連携 医療機関 |
高崎総合医療センター 群馬大学医学部附属病院
前橋赤十字病院 真木病院 第一病院 公立藤岡総合病院 ほか ご希望の医療機関への紹介状も対応いたします。 |
診療時間
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